テロワールのこだわり

能勢・ぎんぶなのうえんは、テロワールの概念を大切にしています。
テロワールとは、ワインやコーヒー、茶などの、品種、産地、土壌特性や栽培技術などの違いによって特徴づけられる個性のことで、言い換えれば、そこでしか生み出せない唯一無二の価値ということになります。

厳選したオープンソース品種

能勢・ぎんぶなのうえんは、固定種(伝統品種)と原種のオープンソース品種を専門に取り扱っております。採種継代ができないF1(一代交配)や、独占権の主張があるPVP(種苗登録品種;クローズドソース品種)は扱いません。一度導入し、栽培・採種に成功した場合は、一年草であっても、能勢・ぎんぶなのうえん内での継代が可能で、毎年、同じ品種の種子を購入する必要がありません。※1また、種子の頒布会で入手した種子は、能勢・ぎんぶなのうえんと同様に、お客様において継代・繁殖が合法的にできます。※2

※1 採種した種子の発芽率が芳しくない場合や、苗の追加増産の必要がある場合には、同一品種の種子を追加購入する場合もあります。
※2 種苗会社で購入したPVP(農林水産省登録または同登録予定)品種を権利者に無断で繁殖したものを第三者に譲ったり、海外に持ち出したりする行為は、種苗法で禁止されており、違反すると処罰されます。なお、一部の固定種はPVP品種になっているものもあり、注意が必要です。(能勢・ぎんぶなのうえんは、PVPの固定種は扱いませんのでご安心ください。)

環境にやさしいヴィーガン・化学認識農法

能勢・ぎんぶなのうえんでは、固定観念にとらわれることなく、農業の原点に立ち返り、ほんとうに環境にやさしい農法を追求してきました。その結論が、人為的に生産された動物性資材を一切投入しないヴィーガン農法と、施肥などの管理を一物質、分子・イオンレベルで認識し、制御する化学認識農法です。目指すのは、有機農法よりも環境にやさしい化学農法。有害菌が繁殖しにくい圃場環境と、ハーブなどによる生物間化学コミュニケーションの活用、珪酸質く溶性元肥の活用などを組み合わせたIPM(総合防除体系)で、化学合成農薬不使用※3を実現しています。その成果は、春から秋までの間の、受粉で採種の手助けをしてくれるハチや害虫を捕食してくれるカエルやクモ類などの賑わいにあらわれています。

※3 2024年春季からは、一部の花卉で、ジベレリン(天然物)やリン酸鉄を使用する可能性があります。

すべて手作業

能勢・ぎんぶなのうえんでは、草刈りも土作りも、農業機械は使用せず、すべて手作業で行っています。手作業は一見して非効率であるかのように見えますが、高畝の構築や耕起、植栽箇所の細部の除草、宿根性雑草の駆除など、機械が苦手とする(あるいは不可能な)多くの仕事をこなすことができます。そのうえ、カエルなどの野生動物にも優しく、燃料や電力の消費がない分だけ、温室効果ガスの発生を節減することができまるというメリットもあります。

徹底した透明性確保

能勢・ぎんぶなのうえんでは、トレーサビリティの取り組みにも力を入れています。トレーサビリティ情報の開示といえば、使用した農薬成分の使用回数や窒素肥料の削減率程度くらいで、それすら開示されない場合がほとんどです。農作物(野菜など)の品種名も多くの場合、明らかにされることなく販売されます。能勢・ぎんぶなのうえんでは、栽培に関する情報が、消費者にほとんど知らされないトレーサビリティの実態に大いに疑問を持っています。農薬成分はもちろんのこと、栽培管理に使用した肥料の成分もすべて開示、正確な品種名も必ず添付してお客様に手渡しすることを徹底しています。これも、品種選定や栽培管理に後ろめたさがなく、自信があることの証です。

能勢の厳しい環境で育成した逞しさ

標高200m以上の高原に位置する能勢は、山間にある関係上、大阪府内では昼夜の温度差が最も大きく、最も過酷な自然環境にあるといわれています。そのような過酷な環境であるがゆえに、能勢では、気象条件の影響を緩和できるハウス栽培に取り組む農家が多くなっています。しかし、能勢・ぎんぶなのうえんでは、農芸化学を専門とする園芸歴40年のプロフェッショナルの技術で、あえてその過酷な条件にさらして栽培管理をしています。そのため、活着しない苗も相当数出てしまいますが、それは、能勢の厳しい環境を乗り越えてきた逞しい良苗をお客様にご提供できることでもあります。このような露地栽培苗の魅力は、ハウス栽培で甘やかせて育成された苗を買って失敗してしまった経験のある方であれば、よくおわかりのことと思います。

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